落ち葉が風に舞う季節となりました。
斎場前のイチョウ並木も美しい黄色に染まりました。
平安会館　中村斎場の松永です。

紅葉が彩る秋の日、二村友幸様がその尊き人生のアルバムへ
最期の１ページを刻まれました。

「私の言葉で送りたい」

そんな喪主様の想いもあり
告別式では喪主様、お孫様、ご友人の方々が柩の前に立たれ
一人ずつ友幸様へお別れの言葉をかけられました。

「お父さんの娘で本当によかった」

「想い出をくれてありがとう」

「学生時代、暗くなるまでバレーの練習を一緒にしたね…」

「ともちゃん、逝くのが早過ぎるでしょう！」

言えなかった別れの言葉、感謝の言葉、想い出の数々。
きっとその言葉は友幸様に届いていることと存じます。

お花の名札も名前ではなく

「友幸さんありがとう」
「お父さんありがとう」
「おじいちゃんありがとう」

とメッセージ入りの名札をご用意頂きました。

大切に飾ってあったお孫様からのカード。
紙が色あせても、貰った時の喜びはいつまで経っても変わらなかったことでしょう。

旅行を計画する事が好きで、ご家族や同級生の方々と様々な所へ出掛けていらしたそうです。
帰ってきて写真を一枚一枚丁寧にまとめ、アルバムを作るまでが旅行。
そんな思い出のお写真やカードを祭壇近くに飾り、皆さんに見て頂きました。

「祭りの時の写真だ」

「あの時は…」

友幸様は、式場にまでたくさんの想い出を運んでくださいました。

沢山のアルバムからご家族が選ばれた

“かっこいい写真”

写真を選ぶご親族様も
また懐かしそうでした。

「旅行に行こう」

今年に入ってから田舎や温泉へ出かけようと計画していたのは
自分の死期を悟っていたからなのでしょうか。

温泉で撮った４人での写真は亡くなる一週間前にとったものだそうです。

旅行は、

「行こう」と言い出す人

計画する人

双方が無いと成り立ちません。
友幸様は周りに「行こう」と声を掛け、計画をするまで全てを担う方でした。

“想い出を作る”

友幸様が皆さんに運んでくださった想い出のアルバムは旅行ごとに１ページずつ増えていきました。
今、元気な友幸様の姿を１ページに刻むことは叶いませんが
たくさん作ってくださった想い出はこの後もきっと残る事と存じます。

いつまでもお名残りは尽きないとは存じますが
お別れの時が参りました。

故人様のご冥福を心からお祈り申し上げます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合掌